4/22 「子ぎつねヘレン」


 今日は久しぶりに映画を見に行ってきました。『子ぎつねヘレン』です。ロングラン上映するほどの大ヒットだったんで知ってる人もいると思いますが、一応大まかなストーリーを。主人公は母子家庭の少年。母親は自由人のカメラマンで、仕事で海外に一人で行ってしまっている。そういうわけで、少年は再婚予定の相手がいる北海道に送られる。しかし、再婚予定の相手とその娘とはあまり反りが合わず、転校先の学校でもうまく馴染めない。そんなこんなで落ち込んでいる少年の前に一匹の子ぎつねが現れる。だが、その子ぎつねは目も耳も聞こえなかった。それでも、少年はその子ぎつねをヘレンと名付け、親代わりとなって育て始める。同時に少年はヘレンとの触れ合いによって成長し、家族とも打ち解けていく・・・・というような、言ってみればありがちな内容です。でも、構成や見せ方がとても良くて感動系の作品としてバランスのいいものになってます。
 この映画は全編通してずっと少年の視点です。それを最も端的に表しているのは何回か挟まれる少年の空想。最初の内はやたらと空想の場面が出てきます。これは言うまでも無く、少年が自分の殻に閉じこもっているからです。しかし次第にそれが少なくなり、最後には全くなくなります。そして代わりに学校の友達や、家族との触れ合いの場面が増えてくる。空想といえば現実では有り得ない事であるわけですが、それ故に自分的にはとても切ない場面があります。それは少年が母親とじゃれ合っている空想。これは「ヘレンにとって何が幸せか」と問われた少年が「母親のところへ帰してやることだ」という答を出した時に出てくる空想なのですが、空想で出てくるということは少年は現実には体験していないという事なんですよね・・・・。
 それと、この映画には「泣き」と「笑い」が上手く入ってますね。「笑い」に関してはラブラドールレトリーバーがいいキャラしてますね。「泣き」はこの映画のウリなのでいくつも該当する場面がありますが、やはりラストの「夏を見せてやる」と「二重露光の奇跡」は本当に泣けますね。それから実に面白く、感心させられるのが「辛と幸」の話。ここら辺は書いてしまうと完全なネタバレになるので、知りたい人は映画観てください(笑)。